トルコ旅 イスタンブール5 地下宮殿

ビザンチン帝国時代、アヤソフィアや近くの宮殿に水を送るために造られた地下貯水池。

ここが公開されたのは1987年からで、それまではほとんどの部分が数メートルに及ぶ泥に埋まっていたそうです。

映画「007 ロシアより愛をこめて」や「インフェルノ」などでも出てきたので、見たことがある方も!

今は、現代的なオブジェが展示されたり、照明の演出があったりで、とても素敵。

高さ9mの柱が、柱と柱各4.8mの間隔で28本×12列の形で336本建てられています。

柱に使用されている大理石のほとんどが地下宮殿よりも古い建築物から採取され、利用されています。

柱の上部はそれぞれ違った特徴を持っており、98本はコリント様式、その他一部はドーリア様式。柱自体はほとんどが円柱ですが、中には角がある物や溝が彫られている物もあります。

336本をかき集めたのだなとわかる感じ。なので、高さが足りないものは、別の柱を足すなどしています。

柱の下が膨らんでいるのは、この地上に建物が建っているから。ちゃんと考えられています。

入口から一番奥に進むと現れるのが2つの柱の下にある一つは横向き、もう一つは逆さのメデューサ(メドゥーサ)の頭の石礎です。このメデューサの彫刻はローマ時代の傑作で、地下宮殿一番の目玉。

ギリシャ神話の中で、メデューサは地底世界の女怪獣であるゴルゴン3姉妹の一人、見た物を石に変えてしまう力があるといわれていました。
この力を信じて当時の人々は大きな建物を建てる際、そこを守る為にゴルゴンの言い伝えと銅像を使用していたとのことで、地下宮殿にもゴルゴン怪物3姉妹の一人メデューサの頭の銅像が置かれた、とか、たまたまそこに石像があったので、土台としてちょうどよかったため使われたなど諸説あり、まだ謎のまま。

336本ある柱のうち、1本だけ涙のような模様が入っているものがあります。「涙の柱」と呼ばれています。

この柱は、もともとローマ時代の公共広場にあった4世紀のテオドシウス1世の勝利のアーチ柱に似ていて、また地下宮殿の建設中に亡くなった何百人もの奴隷を忍ぶために造られたとも言い伝えられております。

実際、その広場付近に同じような模様の入った柱をみました。

リサイクルによってこの地下宮殿が作られたのがわかります。

地下貯水池はあくまでも貯水する場所なのに、なぜここまで凝った造りで、まるで宮殿のようなのでしょう。

神秘的な場所でした。